A Place In The Sun ~マイナージャズレコードの世界~

1950-60年代を中心に、名盤の陰に埋もれてしまった不遇のレコードを「陽のあたる場所」へ。

Bill Hardman

Bill Hardman
Bill HardmanBill Hardman

Saying Something
SAVOY/MG-12170/USA/1961


Bill Hardman(tp) Sonny Red(as) Ronnie Mathews(p)
Doug Watkins,Bob Cunningham(b) Jimmy Cobb(dr
)

Side1
Capers
Angel Eyes
Jo B

Side2
Buckeye Blues
Assunta
It Ain't Happened Yet

愛すべきB級トランぺッターがBill Hardmanだ。
Bill Hardmanと言えばHank Mobleyの1568。
あれは誰が何と言おうともCurtis PorterとBill Hardmanを聴くためのものだ。
1曲目「Mighty Moe and Joe」のうねるような熱を帯びたPorterのアルト。
この燃えるような熱い演奏を聴いたあとに続く「Falling In Love With Love」
1曲目の余韻を一気に打ち消し、椅子からズリ落ち、腰が砕ける、コントのような振る舞いを誘う飄々としたHardmanのプレイ。この流れがとてつもなく好きだ。
1曲目と2曲目が切っても切り離せない関係。
それは私の中のJohn Coltrane『Coltrane』に於ける「Bakai」から「Violets for Your Furs」 の流れに似ている。
昔は「Bakai」は好きではなかった。あのSahib Shihabの悪魔じみたイントロが苦手で飛ばして聴いているという事を知人に話したら「連続して聴かなくては駄目だよ。Bakaiがあるから2曲目が余計に引き立つんだ。」と諭されたことがあった。
妙に納得してしまった意見に心を入れ替えてからというもの、今では逆に「Bakai」のイントロが病みつきにさえなっている。

さて、そのBill Hardmanは1933年オハイオ州クリーブランド生まれ。50年代初頭から活動を始めTadd DameronやCharles Mingusのグループを皮切りに多くのジャズメンとの共演をし、またサイドメンとしての録音も少なくない。
ただ、そのスタイルは流麗さとは対極の朴訥で地味な印象を受ける。
またJazz Messengersの一員として活動していた頃は暗黒期とも呼ばれ、不遇の扱いを受けている。
その為か50、60年代を通じリーダー作はこれ1枚のみ。
特徴的なジャケットデザインだが、万人受けするものとは思えないところもHardmanにとって不幸だっただろう。
しかし、それでもここでは持てる力を存分に発揮したHard Bop魂ともいうべき熱い演奏を聴かせてくれる。
B級ジャズメン達がA級の演奏を生み出したとまでは言えないが、武骨な表現もそれはそれで魅力的だ。

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2017/04/24(月) 13:42:52 trumpet トラックバック:0 コメント:0

Nuntio Rotondo

Nuntio Rotondo
Nuntio RotondoNuntio Rotondo

The Artistry Of Nuntio Rotondo
MUSIC/LPM2076/Italy/1959


Nunzio Rotondo(tp) Gino Marinacci(fl, brs) Enzo Scoppa(ts)
Leo Cancellieri,Raymond Fol(p) Berto Pisano,Bibi Rovere(b) Gil Cuppini(dr)


Side1
Whispering
Bag's Groove
Scrapple From The Apple

Side2
De Concilio
Noi E Loro
Garineipaulus
Epiphone

繰り言になるがRotondoは長いキャリアを積んでいるのにも拘らず、リーダー作は乏しい。
先述の『ITALIAN JAZZ OF THE ROARING 50s』や未発表集の『Sound of silence』などあるにはあるが、「正式な」リーダー作となると本盤が唯一となるのではないだろうか。
入手するまでは本当に憧れたアルバムだった。現物を見掛けないつちのこのような存在だった。
手にした頃はヨーロッパ盤最盛期で当然大枚を叩いた。
しかし、残念なことに入手の労苦の補正も手伝って私的大名盤に昇華するはずだったのにしっくりこない。
はっきりとした印象を伴わないまま最終曲まで辿り着いてしまった。
悪くはないがひと押しに欠けるといったところか。
入手に弄した時間やお金を費やせば費やしたほど、心理的には良いものと思い込みたいプラシーボ効果のようなものが、自分の場合殆ど存在しない。
何十万しようが合わないものは合わないし、千円でも名盤と思えるものは多くある。
以前大仰な煽り文句を伴って復刻された割に、一般リスナーのレビューは殆ど見掛けないのも期待値が大きすぎたためだろうか。
憧れは憧れのままである事が幸せな時がある。

2017/04/13(木) 22:20:43 trumpet トラックバック:0 コメント:2

Nunzio Rotondo

Nunzio Rotondo
Nunzio RotondoNunzio Rotondo

Nunzio Rotondo Vol.2
COLMBIA/CPSQ543/Italy/1953-54



Side1-1,2,3,4
strong>Nunzio Rotondo(tp) Aurelio Ciarallo(b-cl) Vittorio Paltrinieri(p,org)
Tonino Ferrelli(b) Gil Cuppini(dr) Calro Pes(g)


Side1-5,6 Side2-1,2,3,5,6
Nunzio Rotondo(tp) Romano Mussolini(p) Roberto Nicolosi(b)
Gil Cuppini(dr)


Sidd2-4
Nunzio Rotondo(tp) Giancarlo Barigozzi(brs) Romano Mussolini(p)
Roberto Nicolosi(b) Gil Cuppini(dr)


Side1
'S wonderful
Sweet Georgia Brown
Yellow River Blues
How high The Moon
Blue Moon
Even Days Blues

Side2
Oh, Lady Be Good
Strike Up The Band
Night And Day
Somebody Loves Me
What Is This Thing Called love
Honeysuckle Rose

Rotondoのライブラリーものの第2集。
メンバーは変わるが、こちらもやはりスタンダード中心でRotondoのスタイルにも変化はない。
個人的に好きなスタンダードが多く含まれている分、こちらの方がやや好み。
それにしても不便、不親切な事にVol1のライナーにVol2の録音データやメンバーの記載があり、逆にVol2にVol1の録音、メンバーのデータがある。
両方揃えないと詳細が分からなくしてあるのは、当時は完全セット販売されたという事なのか、或は単に商魂逞しいだけなのか…抱き合わせ商法とは異なるがもやもやした気持ちは残る。

2017/04/10(月) 19:00:36 trumpet トラックバック:0 コメント:0

Nunzio Rotondo

Nunzio Rotondo
Nunzio RotondoNunzio Rotondo

Nunzio Rotondo Vol.1
COLMBIA/CPSQ542/Italy/1952-53



Side1-1,2,3,4,5,6 Side2-1,2
Nunzio Rotondo(tp) Frsancesco Raffaeli(as) Ettore Crisostomi(p)
Calro Loffredo(b) Gil Cuppini(dr) Calro Pes(g)


Side2-3,4,5,6
Nunzio Rotondo,Gino Marinacci(tp) Aurelio Ciarallo(b-cl)
Franco De Masi(horn) Vittorio Paltrinieri(org) Tonino Ferrelli(b)
Gil Cuppini(dr)


Side2-7
Nunzio Rotondo(tp) Aurelio Ciarallo(b-cl) Vittorio Paltrinieri(p)
Tonino Ferrelli(b) Gil Cuppini(dr)


Side1
Move
There's A Small Hotel
Quartet
These Coolish Things
Stelle Filanti
You Go To My Head

Side2
Pol City
Embraceable You
Cool Please
Obsession In E Flat
Cool Feeling
Music For Nobody
Fine And Dandy

少し前にイタリアで活躍したトランぺッターFranco Ambrosettiを取り上げた。
今回はそのFrancoよりも、もっと言えばOscar Valdambriniよりも前からキャリアがあるトランペッターがNunzio Rotondoだ。
ただそのキャリアの割にはリーダー作が少なく、このようなライブラリーものはオーディオ的な快楽は少ないが初期の演奏に触れられる点では重宝する。
翳りのない明るくふくよかで屈託のないスタイルが親しみやすい。
選曲もスタンダード中心で聴きやすい。

2017/04/09(日) 15:19:08 trumpet トラックバック:0 コメント:0

Franco Ambrosetti

Franco Ambrosetti
Franco AmbrosettiFranco Ambrosetti

A Jazz Portrait Of Franco Ambrosetti
DURIUM/msA77098/Italy/1965


Franco Ambrosetti(tp) Franco D'Andrea(p) Giorgi Azzolini(b)
Franco Mondini(dr)


Side1
Enriquette
Blue in Green
My shining hour
My old flame

Side2
Bye bye blackbird
Like someone in love
Minority


イタリアのDuriumレーベルからの1枚。
キャリアの大半をイタリアで過ごしたFrancoだが、イタリア人ではなく1941年に生まれたイタリア系スイス人だ。
17才からトランペットを始め、62年から父親でアルト奏者のFlavioのコンボで腕を磨き、65年初リーダーの本作を発表するに至った。
それまでの録音では、ここでもサイドメンを務めるベーシストGiorgio Azzoliniの『Tribute To Someone』などでそのプレイを耳にする事が出来る。
それと比べるとここでのプレイは、革新的な方向へ進んでいった当時の時代背景からすると、随分保守的に思える。
ただ個人的には「ジャズは40〜60年代の演奏があれば充分」と考えている程の超保守的思考を持ち合わせている。
だから「ジャズは進化、革新すべき」や「新しいジャズを聴くべき」などとは微塵も思ってはいない。
ジャズジャーナリズムとの関わりがあるわけでもジャズを生業としているわけではないので、聴いて気持ちよければそれは単純に良いものという趣味的な嗜好で関わっているに過ぎない。
だから、当時のジャズや時代背景などとは無関係にこれは好きなアルバムだ。
スタンダード中心、強力なサイドメン、温和な音色と豊潤なフレーズで最後まで飽きさせない。
ジャーナリズムや他人の評価は不明だが、所有するワンホーントランペットアルバムでも上位に位置する作品だ。

2017/03/12(日) 14:24:31 trumpet トラックバック:0 コメント:0
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