A Place In The Sun ~マイナージャズレコードの世界~

1950-60年代を中心に、名盤の陰に埋もれてしまった不遇のレコードを「陽のあたる場所」へ。

Bob Graf

Bob Graf
Bob GrafBob Graf


The Bob Graf Sessions
DELMAR/DL-401/USA/1958


Bob Graf(ts) Ron Ruff(ts,fl) Jimmy Williams(p)
Bob Maisel,Johnny Mixon(b) Al St.James(dr)


Side1
Street Of Dreams
Dear Old Stockholm

Side2
Stella By Starlight
Alley Blues

DELMARレーベルは1953年にRobert Koesterがセントルイスで起したレーベル。
ジャズの12インチのシリーズでは200番台のディキシー・シリーズと400番台のモダン・シリーズがあり、その記念すべきモダンの第一号がKoesterと同郷の1927年生まれのBob Grafその人のアルバムだ。
特に目立った経歴は無く、晩年はローカルミュージシャンとしてひっそりと活動していたようで、リーダーアルバムは当然この一枚。
まさに本ブログに相応しいテナーマン。
しかもDELMARレーベルのモダンシリーズの中では本作のオリジナルは極めてレアな一枚。
因みにDELMARはKoesterが59年にシカゴに拠点に移すと同時にレーベル名も「DELMARK」と改名している。
従って実際には400番から始まるシリーズでは本作と402番の「Ira Sullivan Quintet」の二枚のみ「DELMAR」レーベルで、403の「John Young Trio」からは「DELMARK」レーベルを使用している。
同じDELMARレーベルでもIra Sullivanの方は比較的見掛けるが、こちらは完全にツチノコ状態。
ただCD化もされているので、私のような変わり者以外はそちらで充分だろう。

さて内容だが、Side1は2テナーのライブ録音、Side2はBob Grafのワンホーン。
折角の唯一のリーダー作だがライブ録音である事を差し引いても録音が悪く、Bob Graf自身のテナーも冴えない印象が残る。それでも、長尺ナンバーでの力演だと言う事は良く分かる。
Side2は録音が良くなり、ワンホーンと言う事もあってたっぷりと堪能できる。
選曲も吹き方もStan Getzを意識したものだと分かる。
流石にGetzと比較するのは酷だが、その力量には残念ながら大きな隔たりがある。
だからといって簡単には切り捨てるわけにはいかない。
ジャズジャイアントにはなれなかったが、彼もまた一流なのだろう。
強豪ひしめく50年代にリーダーアルバムを残した。その事実だけで本来は掛け値なしに尊敬されるべきなのだろう。
彼もまた多くのジャズメンがそうであったように名を馳せるまでには至らなかったが、それでもジャズを捨て切れずに諦めきれずに、地元で憧れのGetzに思いを馳せながら自分の唄いたいように唄っていたに違いない。

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2013/01/29(火) 22:29:17 tenorsax トラックバック:0 コメント:0

The Case Stage Band

The Case Stage Band
The Case Stage BandThe Case Stage Band

A Case For Jazz
Delta Records/20504/USA/1965


Bob Lawler,Bob Karasek,Don Buerk(as) Howard Bloom,Bruce Goldberg(ts)
Steve Smith(brs) Rich Mason,Jerry Tessin,Jim Opalinski,Harry Atkinson,
Rich Simcox,Jerry Homer(tp) James Redmond,William Hampshire,
Thomas Kays,J.J York(tb) Bob Wilhelm(p) Garry Stein,Dave Gundry(b)
Gary Ciminero(dr) Allen Gutheim(dr,vib) Pete Craig(per)


Side1
Waltz Of The Aardvark
Teddy The Toad
Hoe Down
Blue Blues
Uptown Walk

Side2
The African Waltz
Swing Low,Sweet Chariot
Miss Fine
Emancipation Blues
Flower Foe The Cats

オハイオ州クリーブランドの「Case Institute of Technology」のサークルバンドの演奏を収めたプライベートプレス。
従ってアマチュアミュージシャンによるビッグバンドものと言う事になるだろう。
ユニークなのは各ミュージシャンの楽器パートと出身地、そして専攻学科が記載されていることだ。
化学工学、航空宇宙工学、航空工学、電気工学等様々だ。
もちろんその事と内容は無関係で、アマチュアらしくシンプルで溌溂とした勢いのある演奏だ。
アフロキューバンな一曲目から乗せていく様はなかなか巧み。
各自のソロは少ないが「Swing Low,Sweet Chariot」の朗々としたトランペットプレイは絶妙で、アルバムのクライマックスに相応しい出来栄え。
アマチュアといってもそこは本場アメリカ。その懐の深さと裾野の広さ、全体的なレベルの高さというものを窺い知ることも可能だ。
そして、ジャケットが良いというのもプライベートプレスでは珍しいケース。
まさしく珍盤の部類だろう。

2013/01/26(土) 23:15:59 others トラックバック:0 コメント:0

Alan Neil

Alan Neil
Alan NeilAlan Neil

Kenneth Patchen Read With Jazz In Canada
FOLKWAYS RECORDS/FL9718/USA/1959


Alan Neil(p) Dale Hillary(as) Lionel Chambers(b)
Bill Boyle(dr)


Side1
Four Blues Poems
Four Songs Poems

Side2
As I Opened The Window
Glory,Glory

まだカナダ盤があったような気がして探し出して見たものの、大きな勘違いだった。
タイトルに「In Canada」付くだけで、アメリカの詩人Kenneth Patchenが恐らくアメリカのジャズメンたちと共演した、アメリカのレーベルに吹き込んだアルバムで、カナダ的な要素はほぼ皆無。
共演という表現が妥当なものかは分からないが、イギリスのピアニストMichael Garrickが試みた詩とジャズの「融合」といったものとも異なる。
実験的な作品と言うよりも、単純にジャズをBGMに詩を朗読するといった気軽な雰囲気ともとれる。
そのバックで流れるジャズがクールでなかなか良い。全員誰かの変名ではと疑いたくなるような好演。
Kenneth Patchenのファンの人には申し訳ないが、Alan Neil Quartet単体で聴きたかった作品。

2013/01/21(月) 21:27:57 piano H-N トラックバック:0 コメント:0

Guido Basso

Guido Basso
Guido BassoGuido Basso

The Fabulous Trumpet Of Guido Basso
RCA VICTOR/CTL-1088/Canada/1967


Guido Basso(tp)&Orchestra

Side1
Tequila
Nightcap
Ramblin'
You Are My Sunshine
Tara's Theme
What A Friend

Side2
Canada
Mia Mia
Ten Little Indians
goofus
Anniversary Song
Give Her My Love  

次はカナダのトランペット奏者Guido Bassoのアルバムの紹介。
1937年のモントリオール生まれ。トランペッットだけではなくハーモニカも操り、編・作曲家の顔を併せ持ち、近年まで幅広く活躍するカナダを代表するトランペッターといえるだろう。
60年代から主に活動しているのだが、その頃のアルバムとなると見つけにくく、またどういったアルバムを残しているのか定かではない。
そういうなかでこの手持ちの一枚は、当時を窺い知る貴重な存在になっている。
ジャズ的なフレーズは少ないが、オーケストラをバックに一人舞台を見事に演じきっている。
至福の時を過ごしているような雰囲気がこちらにも良く伝わってくる。
堂々とした唄いっぷりは貫録十分だ。

2013/01/20(日) 10:45:48 trumpet トラックバック:0 コメント:2

Paul Hoffert

Paul Hoffert
Paul HoffertPaul Hoffert

The Song Is You
CANATAL/CTLP4009/Canada/1961


Paul Hoffert(p,vib) Bernie Piltch(as,fl) Carne Bray(b)
Archie Alleyne(dr)


Side1
Phoenix
Growing Up
Lover Man

Side2
The Song Is You
6 Bar Theme
Grotto Walk
With A Wiggle

さらにカナダ盤。
Paul Hoffertは1943年ニューヨーク生まれで、3歳のときにカナダに移住し、後に帰化している。
現在までキャリアを重ねてピアニストに留まらずコンポーザーやアレンジャーなど幅広く活動しているが、彼もまた日本のジャズ界での知名度は低い。
これはそんな彼の18歳の時の貴重な録音。
これも結構珍しいアルバムだが、ファーストアルバム「Jazz Routes Of Paul Hoffert」(Chateau)はさらに珍しい。
構成は前回紹介したBarry Townley「On The Town」と同様のワンホーンカルテット。
あちらは余り演奏が耳に入ってこなかったが、こちらはその逆に強く印象に残っている。
粘り気のあるアルトサックスに、Hoffertの煌びやかなピアノ、それに華を添える力強いベース、その土台を支えるドラム。
しかも半分以上Hoffertの自作曲だから驚きだ。
10代の彼が生み出した自身の未来を透視するかのような才気溢れるアルバム。

「追記」
本盤はファーストアルバムと思い込んでいた『Jazz Routes Of Paul Hoffert』(CHATEAU)と同一内容。
こちらの方がそのCHATEAU盤の再発と思われる。(2015.8)

2013/01/14(月) 18:12:51 piano H-N トラックバック:0 コメント:2
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