A Place In The Sun ~マイナージャズレコードの世界~

1950-60年代を中心に、名盤の陰に埋もれてしまった不遇のレコードを「陽のあたる場所」へ。

Manolo Juarez

Manolo Juarez
Manolo JuarezManolo Juarez

Trio Juarez + 2
MUSIC-HALL/20.280/Argentine/1972


Manolo Juarez(p) Alex Erlich Olivia(g) Elias “Chiche” Heger(dr)
Jose Luis Castineira de Dios(vib) Juan Darela (quena) Marta Penaloza(vo)


Side1Loca de amor
Luna tucumana
La bacha
Vidalita de la mama
Siete de abril
La telesita

Side2
Cancionera
Invitacion a la nostalgia
Baguala para un silencio
Zamba de anta
La equivoca
Juanito laguna remonta un barrilete

1937年アルゼンチンの生まれのピアニスト兼作編曲家Manolo Juarezが60年代に結成したトリオ「Trio Juarez」のセカンドアルバム。
ピアノ、ギター、ドラムをベースに今回はJose Luis Castineira de DiosとJuan Darelaを加えより幅の広い音色を聴かせてくれる。
Manolo自身は著名な音楽家の一人で、演劇や映画音楽作品も数多く手掛け幅広く活躍した人だ。
土着の音楽フォルクローレを換骨奪胎し、ジャズとクラシックの要素を絶妙に融合させた音楽はユニークそのもの。
その彼らのファーストアルバムは5年ほど前にもここで既に取り上げていて、その時は初聴ながら魅せられた感覚が鮮明に残っていて、再びこのグループのアルバムを手にするに何の躊躇もなかった。
純ジャズ作品ではないが、前作よりやや仄暗さが取り除かれた彼らの織りなす美しいメロディーの数々に酔いしれる事が可能なはずだ。
幸いにも2作とも再発CD化されているので、機会があれば是非聴いてもらいたい。

『Trio Juarez』
http://karyoubinka.blog93.fc2.com/blog-entry-192.html

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2015/07/20(月) 16:30:38 piano H-N トラックバック:0 コメント:0

Bengt Ernryd

Bengt Ernryd
Bengt ErnrydBengt Ernryd

Bengt Ernryd Quartet
DRAGON/LP1/Sweden/1964-65


Bengt Ernryd(tp) Jan Wallgren(p) Gosta Walivaara(b)
Jan Carlsson(dr)


Side1
Meditation And Motion
Parallel Movements

Side2
At The End Of The Day

トランぺッター兼作曲家でもあるBengt Ernrydは1943年スウェーデンのカールスクルーナに生まれている。
映画『私は好奇心の強い女』の音楽を手掛けたことでも有名。
そのErnrydの率いたグループの60年代の初期の貴重な録音。
リリース自体は70年代になり、且つDRAGONレーベルの記念すべき1作目のアルバムでもある。
所謂「モードジャズ」で透徹された演奏で狙いも分かるのだが、歯切れの悪いトランペットも相まって最後まで足が地に着いていない印象を残す。
「退屈」との狭間に居るような感覚で、残念ながら自分にはあまり合わなかった。

2015/07/19(日) 23:00:00 trumpet トラックバック:0 コメント:0

Jerry De Villiers

Jerry De Villiers
Jerry De VilliersJerry De Villiers

Exodus
VENUS/VL307/Canada/1962


Jerry De Villiers(p) Bob Rudd(b) Andrey Perry,Roger Siward(dr,per)
Buck Lacombe(g)


Side1
Exodus
Goodbye Again
Like Young
Off Shore
Les Feuilles Mortes

Side2
Pete's Place
Spidtz
Mahalia
Georgia
Sunday Morning

カナダのピアニストJerry De Villiersのアルバムは『Et Son Jazz Quartet』を紹介して以来の2枚目となる。
アルバムのタイトルにもなっている映画『栄光への脱出』のテーマ「Exodus」から始まる。
「Exodus」のジャズバージョンではBill Harrisの『Exodus To Jazz』やDuke Pearson『Angel Eyes』に収められているものが印象に残っているが、Villiersのものもアレンジや楽器のアクセントが効果的で面白い。
その他イントロから印象的な「Les Feuilles Mortes」(枯葉)やリズミックな「Pete's Place」、黄昏の「Georgia」など、アレンジャーとしての力量も発揮したバラエティーに富んだ内容。
荒っぽいが芯のある音もジャズ録音としては悪くない。

2015/07/12(日) 22:30:36 piano V-Z トラックバック:0 コメント:0

Al Vega

Al Vega
Al VegaAl Vega

All By Al
CUPID/CULP500/USA/1957


Al Vega(p) Alex Cirin Jr.(b) Alan Dawson(dr,vib)

Side1
Gypsy In My Soul
Autumn In Rome
All The Things You Are
Love For Sale
Just Hankin Around
Sounds For Speed

Side2
Avalon
Marlowe´S Mood
Just One Of Those Things
Sounds In The Night
A Foggy Day

伝説のマイナーピアニストAl Vegaのもう一枚の希少なアルバム。
過日、某ヤフオクを眺めていたら本盤が出品されていた。
その出品と自身の購入時などを含めても僅か3回しか見掛けたことがない。
オークション上ではやたら「激レア」「メガレア」「ギガレア」など、最近では「物凄い音」「驚愕の音」シリーズや「普通そのレーベルには使わないだろう。そもそもそのレコードは完全じゃなければただのセカンドだろう」とツッコミを入れたくなる「完オリ」表記の乱発等の煽り文句の多用が目に余るが、これは正真正銘の「激レア」盤だと思う。
オークションの動向を注視していた。
ジャケットの背部分に褪色が見られるものの、盤質も悪くなさそうだったが結果は1万円にもならなかった。
昔なら重複になっても購入したしただろうが、今はより良いコンディションのものに買い替える以外の目的では同じ盤の購入をしない。
所有盤はトップコンディションの為、買い替えも不要だと思い見送った。
それでもその結果に少し寂しい気もしたが、まあこの手の盤の性質上致し方ないことなのだろう。
当たり前だが激レアである事と需要は一致しない。欲しい人はとことん欲しいが不要な人には歯牙にもかけられない。
そもそも「取り敢えず」買っておこうという気が起きないだろう。
オルガン要らないけどBLUE NOTEだから買っておこう、普段絶対聞かないけどBLUE NOTEの1500番台は全部揃えたいから『Orgy In Rythm1,2』も買っておこうといった、コレクション上の流れが起きない。
また、メジャー盤のような相場もなく、5000円と言われればその通りだし、50000円と言われてもそうなのかもしれない。
仮に落札者と私が同じくらいの情念でその時に欲していたならば、相当の金額まで跳ね上がっただろう。
この手の相場観皆無のマイナー盤は、欲しい人がその時二人現れ争ったならば、天井知らずという恐ろしい性質も孕んでいる。
ところが行き渡ると今度は逆に底なしだ。
その根底には、これを逃したら次にいつ出会えるかわからないという恐怖に近い感情に支配されているからに違いない。
それはともかく肝心の内容は価格や価値、頻出度とは抜きにして、全編にわたってVegaの小粋なピアノが楽しめる。
ズシンと響くようなベース音やザクザクとしたブラッシュ音が塊のようにぶつかってくる録音もジャズ的な快感を味わえる。
そういう意味ではこれだって「物凄い音」だ。

2015/07/05(日) 14:30:47 piano V-Z トラックバック:0 コメント:2

Al Vega

Al Vega
Al VegaAl Vega

The Al Vega Trio
PRESTIGE/PRLP152/USA/1953


Al Vega(p) Jack Lawler(b) Jimmy Zitano(dr, bongos)

Side1
Two Sleepy People
Speak Low
Autumn Serenade
Sentimental Moods

Side2
Carioca
Mirage In Blue
When Johnny Comes Marching Home
Very Vega
Lullaby Of Birdland

Al Vegaの名前を知っている日本のジャズファンは少ないだろう。
耳に触れる事の出来るアルバムは僅かだからだろうか。
しかし、キャリアは70年にも及ぶ。2011年に90歳で亡くなるまで現役だった。
正に生涯現役を体現したピアニストだ。
若い時はハウスピアニストとして活動し、共演したジャズメンは数多だ。
レコーディングの機会は少なかったが、ローカルミュージシャンとして息の長い活動をし、地元ボストンでは本当に多くの人に愛され、賞賛され続けた人だ。
確かに記録としての活動は少なかったが、多くの人の記憶に残る活躍をした。
Vegaみたいな人に触れるとSonny Rollinsの言葉を思い出す。
「レコーディングというのは俺たちの活動にとって、ほんの一部の出来事なんだ。むしろ記録に残らない演奏の方が遥かに多い」
その言葉を噛み締めながら、この貴重な記録に耳を傾けVegaのジャズメンとしての生涯に思いを馳せるのも悪くない。

2015/07/04(土) 18:50:06 piano V-Z トラックバック:0 コメント:0